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佐藤敏男と小さな陰謀

 

俺の名前は佐藤敏男。
凄腕の探偵だ。
俺の担当した調査などは100%成功している。

今回は男性が俺の事務所に来ている。
彼は俺に女性の写真を見せこう言った。

「この女性の素性を調べて欲しい」
彼は、数ヵ月後に写真の女性と結婚するそうだ。
だが、彼女は元々家出をしてこっちに越してきて、親のことを話さないらしい。
そこで、俺に彼女の親を見つけて連絡をとって欲しいということだった。
これは難しい依頼だった。
だが、俺は凄腕の探偵だ何とかなるだろうと思い、依頼を受ける。
そして契約を済ませる。

「それでは、証拠がつかめ次第連絡しますので、お待ちくださいませ。」
と、いつも通りの言葉を口にし、男性を帰す。

俺はまず、その女の家に言ってみる。
アパートの2階だった。
少し考える。家出をしているのだったら、ここに来るよりも勤め先を調べて、勤め先で名簿を入手するほうが楽ではないのか?
いや、彼女は家出中だし、成人している為、アルバイトだったら親の住所は不必要だ。

俺は、考えた挙句、ひとつのことを思いつく。
住民票だ。
だが、あれは委任状が必要だ。
さて、委任状の用意が必要だ。まぁ、アパートの鍵くらいなら10分もあればあけられるので問題ないだろう。

俺は、鍵を開け、女の部屋から印鑑を見つけ委任状に押す。
そして、窓から飛ぶ。
これで、後は住民票を手に入れて、親の家を突き止めるだけだ。

ちょろい仕事だった。ピッキングができれば誰でもできる簡単な仕事だった。
後日、俺は男に会い、結果を報告する。
もちろん、どうやって手に入れたかは伏せておく。
そして、報酬と一緒にまたもや喫茶“グリモワール”のコーヒー無料券を手渡された。
彼も行きつけで、美味しいからということらしい。

俺は、日を改めて喫茶“グリモワール”に行った。
今回は、リンゴで作った干し首がぶら下がっていた。
やはり怪しかった。
入ってみると満員で、丁度カウンターに座っていた親子が動くところだったので、俺は迷わずそこに座る。

そして、今回は違う者を頼むことにする。

「ブレンドひとつ」
やはり、探偵っぽくハードボイルドに言う。
客が沢山来ているのに手際よくコーヒーを出してくる。

俺は、今度は間違えないようにと、前回とは違う小ビンに入った砂糖を使う。
そして、コーヒーを口に含む

・・・おかしい
俺は、気のせいだと思いもう一口飲む。

・・・やはりおかしい。
甘しょっぱい。

どうやら、さっき座っていた子供のいたずららしい。
小ビンの中の砂糖とおぼしき物をなめると、ちょっとしょっぱい。

砂糖と塩が混ざっているらしい。
甘しょっぱいコーヒーだった。

俺は佐藤敏男
この日も憂鬱といった感じで帰路につく。

 

第二話 完

次が最終回です。
次回もお楽しみに。